ある日、おとうさんは、ギターをポロンポロンとひきながら、
あたらしいうたをつくっていました。
「おとうさん、あそぼうよ」
あかねちゃんがそういうと
おとうさんはこたえました。
「ごめんね、あかねちゃん。
いまあたらしいうたが、
ここまでとんできてるんだ。
もうすこしでつかまえられるから、
そしたらあそぼうね」
おとうさんは、手をあたまのうえに
たかくのばして
『ここまで』がどのへんなのか
おしえてくれました。
あかねちゃんは、はやくつかまると
いいなあ、とおもいながら
ひとりであそびにいきました。
つぎの日も、おとうさんはギターをパラパラパランとひいていました。
「ねえおとうさん、あそぼうよ」
あかねちゃんがそういうと、
おとうさんはいいました。
「ごめんね、あかねちゃん。いま、
あたらしいうたが、ここまでとんで
きてるんだ。
もうすこしでつかまえられるから
そしたらあそぼうね」
おとうさんは、手をあたまのすこし
うえまでのばして『ここまで』が
どのへんなのか、おしえてくれました。
あかねちゃんは、はやくつかまると
いいな、とおもいながら、ひとりで
えほんをよんでいました。