つぎの日も、あかねちゃんはギターをジャカジャカジャカンとひいている
おとうさんのそばにいっていいました。
「ねえねえ、おとうさん、あそぼうよ」
すると、おとうさんはすこしこまったように
こたえました。
「ごめんね、あかねちゃん。いま、あたらしい
うたが、ほんのすぐそこまで、とんで
きてるんだ。いい子だから、よそで
あそんでおいで」
きょうは『そこまで』がどこなのか、
おしえてくれません。
「ねえ、おとうさん。そこまでとんできてて
つかまえると あたらしいおうたに
なるものって なあに?」
「そうだなあ、うたのもとは『げんきのいい おたまじゃくし」かなあ」
「おたまじゃくし!? おたまじゃくしがとんでくるの?
おたまじゃくし いけにいるんだよ。そらなんか とんでないよ」
「カエルになるおたまじゃくしは いけにいるけど
おとうさんのさがしている おたまじゃくしは
せかいじゅうのそらを じゆうにとんでいて
つかまえて だいじにそだてると
うたになるのさ」
「ほんとに?」
「ほんとだよ。いま、このへやのなかにも
みえないけど たくさんのおたまじゃくしが
およいでいるんだよ」
あかねちゃんは 目をまるくして へやじゅうみまわし
ました。
「みえないんじゃ、つかまえるの たいへんだね」
「うん、うたのおたまじゃくしをつかまえるのは
とても むずかしいんだよ。おとうさんはこれから
たくさんのおたまじゃくしを つかまえなきゃ
いけないから、しばらくよそで
あそんできてくれないかなあ」
あかねちゃんは、げんきよく「はーい」とへんじして
ちょうど ゆきがつもりはじめたおそとで
ゆきだるまを つくりました。