まよなかに、あかねちゃんは目をさましました。
なにか つめたいものが、ぺたりとほっぺにさわったからです。
目をあけると、ちゃいろくてまんまるで つるんとしたかおが、
にこにこわらって みおろしていました。
あかねちゃんはおどろいて とびおきました。
おおきなこえで「きゃーっ」とさけぼうとしたとき、ちゃいろいかおのだれかが
ペタリとぬれた手を おおきな口にあてて「しぃーっ、しずかに」といいました。
よーくみると、それは おおきなおたまじゃくしで、ちょっとみじかい両手と
しっかりゆかにたっている足とが、ちゃいろいどうたいからはえていました。
「プレゼントに『おたまじゃくし』をたのんだのはキミかい?」
あかねちゃんは、こくんとうなずきました。
「それは、カエルになるおたまじゃくしかい、それとも
うたになるおたまじゃくしかい?」
「うたになるほうのがほしいの」