「さあ、ここが そらのはしっこのそのまたはしの ゴセンのうみだ」
キルケゴールがゆびさしたところには、ほそくてぎんいろの 5ほんのひもが
ずーっと とおくまでうかんでいます。ぎんいろのひもは あさのつゆにぬれた
クモのいとのように キラキラひかっていました。
 キルケゴールとあかねちゃんは、5ほんのひもの1ぽんのうえに たちました。

 キルケゴールは どこからか、おおきなあみとバケツをもってきて
あかねちゃんにわたしました。
「ゴセンのうみには かぞえきれないくらいたくさんの、おたまじゃくしがすんでいる。
すきなだけ、とっていきたまえ」
 キルケゴールはきどっていいました。
「でも、おたまじゃくしなんて ぜんぜんみえないよ」
 キルケゴールは ニィっとおおきく口をあけてわらいました。
「うたをうたうのさ。そうすれば、おたまじゃくしが見えてくる」
 というとキルケゴールは キュッキュッというこえをはりあげて、
うたいはじめました。
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