バケツのそこをよーくみると、ちいちゃなちいちゃなぎんいろのおたまじゃくしが
いっぴき、ふわふわとおよいでいました。
「おとうさん! おうたになるおたまじゃくし、いっぴきだけ のこってた!
「ねえ、いっぴきでも、ちゃんと おうたになるかなあ?」
あかねちゃんがきくと おとうさんは、おたまじゃくしをそっとギターの げんのうえに
のせました。すると、ちいさなおたまじゃくしは、ちいさなほしになって、いっしゅん
ギターぜんたいを ぎんいろにひからせてから、きえてしまいました。
「さっきのおたまじゃくしは、ギターのなかでちゃんとそだって、きっといいうたになるよ」
あかねちゃんは にこにこわらって、まだすこしぎんいろなギターと、おとうさんを
みていました。おとうさんも わらっていました。